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最後の参謀総長 梅津美治郎 (祥伝社新書) 新書

昨日、イオンモール大和郡山内の喜久屋書店に例年購入の柴犬カレンダーを買いに行った時、
たまたま見つけた一冊です。

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最後の参謀総長 梅津美治郎 (祥伝社新書) 新書

昭和天皇を、歴史を動かした上奏
昭和19(1944)年7月、梅津美治郎参謀総長に就任する。それは昭和天皇の意思でもあった。
それだけ昭和天皇の信頼が篤かったのだ。
梅津は昭和20(1945)年6月に軍状を上奏、その内容に衝撃を受けた昭和天皇は終戦を決意したと言われる。
陸軍大学を首席で卒業したエリートでありながら、陸軍の後始末ばかりさせられた男の〝最後の後始末〟こそ、
ポツダム宣言および降伏文書調印に至る終戦への道である。
その足跡を追うことで、昭和陸軍と昭和史に新たな光をあてる。
梅津家への取材で得られた貴重な証言や写真も掲載。最後の参謀総長梅津美治郎の知られざる功績を追う。
(以下、目次)
プロローグ――戦艦ミズーリにて
第一章 「軍人勅諭」の子
第二章 動乱の時代に――第一の後始末、二・二六事件
第三章 国境の司令官――第二の後始末、ノモンハン事件
第四章 最後の参謀総長――最後の後始末、終戦
エピローグ――幽窓に暦日なし


終戦時の海軍大臣であった米内光政を軸に終戦工作についての卒業論文を、
当時はインターネットもなく、貧弱な大学図書館にあった資料だけを
頼りに書いたけれども、その中でも海軍に対する陸軍の動きが良くわからず、
その中でも陸軍の参謀総長だった梅津美治郎は、あまり本心を見せない人で、
さらに部下については信用しない人だったので、側近がいろいろと書き残した米内とは違い、
ホント参考になる資料が乏しく、ホント困ったこと思い出しました。

それと何故、彼がこれほどまでに昭和天皇の信頼を勝ち得ていたのか、謎でした。
終戦工作を行っていた時、故郷の後輩であり、侍従武官経験者で、最高戦争指導会議の同僚であった阿南惟幾、侍従長経験者で首相の鈴木貫太郎と比べると昭和天皇との距離感はかなりあったように感じたのですが、
そういう距離感とは違うところで、それは陸軍に事あるごとに、適切な対応を素早く取っていたことが、
その信頼を勝ち得る要因であったのだと。
的確な戦略眼を持ち、全体を見る視野の広さなど、今の固定観念での陸軍軍人とは違うそんな人物であったのだと。

だからこそ、こここれに極まれりという時に微動だにせず、あの難局を乗り切れたのだなと。

大学を卒業して約30年、やっとわからなかったモヤモヤが解消してくれたような一冊でした。


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コメント

No title

私も気になる人物で本書も読みました。

本人が頭良すぎて記憶力抜群のせいか心中を記した
メモや自伝が残らずぶれず2.26事件でも風向きや軍内
空気を読もうと右往左往する軍人が多い中
「断固、鎮圧すべし!」やら満州事変後も
拡大派を抑えて、終戦も阿南のようにブレず
昭和天皇からは好印象な人物であったように思いますね。
でもワタシの上司にはなって欲しくないです。(笑

もうお読みとは・・・恐れ入ります

僕以上に戦史には造詣が深い方なので、さっそく手にされているとはさすがですね。
この人、とにかくぶれない真の通った方だったようで、その姿勢は尊敬にするに値するかと思いますが、naomoe3さんのおっしゃる通り、この方の部下にはなりたくないですね(爆)

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プロフィール

大納言兼加賀守

Author:大納言兼加賀守
ブログ創業 2005年7月です。

2019年12月のYahoo!ブログ終了と『令和』改元に伴い、FC2ブログさんへ移管しました。新型コロナウィルスはGW明けから5類相当以降しましたが、これに油断せず、手洗い励行で感染防止を心がけたいと思います。
2023年 今年は大河ドラマ『どうする家康』の現地調査を中心にアチコチと訪問しています。

写真は高校の文化祭の時に撮影したものです。

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