今日仕事から帰宅して夕刊を手に取ると
さらば 『日本海』 ~大阪発着 最後のブルートレイン~
大阪と青森を結ぶJRの寝台特急「日本海」(10両編成)が16日発の便で、定期運行を終える。大阪駅発着の「最後のブルートレイン」。旅情を残す列車は、40年以上にわたって親しまれた。毎日、大阪駅には引退を惜しむファンがその姿を収めようとカメラを持って集まっている。長年列車のサービスを支えてきた車掌とともに「日本海」に乗車した。【亀田早苗】
先頭車両は特徴のあるローズピンク。くたびれた感じの寝台(幅70センチ)が上下に並び、窓際には狭い通路が走る。足を伸ばしてくつろげるのが、民宿の風情だ。
偶然隣り合わせたという男性2人が日本海の話に花を咲かせていた。滋賀県草津市の斉藤隆志さん(33)は「長距離寝台車は個室化され、出会った人と盛り上がることもなくなる」と、消えゆく旅の楽しみを惜しむ。秋田県大館市の斉藤秀男さん(79)は弁当を広げていた。大阪での法事の帰りといい、「何十年も乗っているから残念だよ」。
車掌として乗務するのは、JR西日本の浅尾良平さん(58)。86年4月から日本海に乗務し、経験は25年以上になる。長距離列車の勤務は車掌にとっても憧れだ。所属する大阪車掌区では、195人中、「A組」と呼ばれるベテランら38人しか乗れない。
「楽しい旅に」と工夫をこらしてきた。乗客の行き先はメモし、翌朝、それぞれの到着20分前には声をかけて起こす。1回の勤務で車内の見回りは約30回にもなる。記念撮影を頼む女性グループにも囲まれ、大忙しだ。「昔はよく酒を勧められて困りました」
今冬は浅尾さんも経験がないほど大雪による運休が続いた。冷気の中、何度も乗務員室の窓を開けて空を眺め、通過時刻を確かめた。最後尾の車窓からは、遠くの駅の明かりがものさびしい。車内は空席が目立つが、東日本大震災直後は利用客が増えたという。「路線の重要さを再認識したと思ったのに」と浅尾さんは残念そうだ。
列島を約15時間かけて北上する列車。窓から桜を長く楽しめるのが車掌としての“役得”だったが、もう見られない。
昭和にタイムスリップしたような車内。今の時代ではなくなっていくものなのだろう。「日本海」に「おつかれさま」と声をかけたくなった。
16日のラストランまで、後2日。
来るべきものが、ついに来たかと、こうして新聞の記事を読むと改めて痛感。
毎日新聞以外では、今回の『日本海』廃止がどう取り扱われているのか知らないけど、
最後になって、一面で紹介されるのは、せめてもの餞かも知れないなと。
16日発は、上下とも無事に青森と大阪に到着してほしいと思わずにはいられない。
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